
おはようございます
こちらは
読書記録『ハドリアヌス帝の回想』マルグリット・ユルスナール – 白水社
の写真
1月の終わり、
日経新聞に掲載された
ブルネロ・クチネリ氏の記事を目にして以来、
ずっと心に引っかかっていた一冊だ。
クチネリ氏が
「人生を支えてくれた」と語り、
自身の図書館の核に据えるほどの哲学書。
ようやく読み進めたが、
これは確かに、
これまでの読書体験の中でも類を見ないほどに
「難解」な衝撃作だ。
しかし、
この難解さこそが、
本物の「質」の証明に他ならない。
僕たちが手がける特殊効果(特効)の現場も、
表面上の派手な爆発や光の裏側には、
一般の人には到底理解できないほど複雑な計算、物理法則、
そして緻密なロジックが幾重にも積み重なっている。
難解であればあるほど、
その先にある「美」や「感動」の純度は高まる。
安易に理解できるものに、
魂を震わせる力は宿らない。
この本に流れる、
一筋縄ではいかない深淵な知性は、
僕が現場で追求し続ける「圧倒的なクオリティ」そのものだ。
そして、
ページをめくるごとに突きつけられるのは、
皇帝ハドリアヌスの壮絶な「孤独」だ。
巨大な帝国を背負い、
死を目前にして自らの人生を回想するハドリアヌスの独白。
それは、何万人という観客を前に、
一発勝負のスイッチを押す瞬間の
僕の「孤独」と深く共鳴する。
演出の全責任を負い、
その一瞬の判断ですべてを決定づける重圧。
クチネリ氏が
「権力の座につくのは本当の偉人でなくてはならない」
という言葉を引いた意図が、
痛いほどにわかる。
上に立つ者は、
誰よりも孤独で、
誰よりも高潔な覚悟を持たなくてはならない。
1900年前の皇帝の思考が、
時を超えて今、
僕のプロフェッショナルとしての矜持を激しく揺さぶる。
この難解な迷宮を彷徨うような読書体験は、
僕の中にある「演出家としての器」を
さらに一回り大きくする。
2026年の春。
僕は、ハドリアヌスが自らの帝国を統治したように、
僕自身の「演出の世界」を完璧に支配し、統治する。
一切の妥協を捨て、
孤独を友とし、
本質だけを見据えて最高の火花を散らす。
今日という一日に、
そして未来に、
皇帝のような気高き覚悟を持って、
魂のスイッチを押し続ける。
< Purpose >
To enable us all to believe the possibility that the world is full of joy.
この世界が喜びに満ちているという可能性を、私たち全員が信じられるようにする。
祖母と父の名において
あなたにも、私にも、ワクワクする演出を
Specialeffect Concierge Hijiri Komine
特殊効果コンシェルジュ 酸京クラウド 小峰 聖
初出版情報は、コチラ


